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世間知らず

日記

 他人を自分の都合のために利用して、たぶん怒らせているけれど放っておいている。そのうちツケはくるだろう。元よりそれは承知している。嫌われようが馬鹿にされようが何でもいい。最悪、小説を書くための時間と環境を作れるのならそれでいい。ただ、その人たちと今後も最低限の人間関係を続けるつもりなら、たぶんどこかで帳尻を合わせないといけないのだ。あと、たまに考えることもある。もっと真っ当な手段でもよかったのではないかと。でも考えるたびにやっぱり思う。これでよかったと。

 

 普通の人がとっている手段を僕も取ったって仕方がない。むしろそれが本当に誰もがとるべき手段であるというのならますます無意味だ。よく「作家になりたいなら進んで恋愛をすべき」だとかいう紋切り型の表現があるけれど、あれこそ本当にくだらないと思う。それでたくさんの恋愛をして、例えば千人くらいの女をヤリ捨てして、それで面白い小説をかけるかといったらそりゃもちろん書ける。でもそれは新しいおもしろさではない。想像の範疇でしかない。誰もがすることを突き詰めて得られるおもしろさに意味はない。どうせなら、それにかけた時間を誰もやらないおもしろさにのせた方がいいに決まってる。まだ「一生恋愛も結婚もしないことを進んで選ぶ」自分を作っていく方が特異な小説を書けるだろう。

 

 ただ、自分がきちんと「誰もやらないこと」に全力で賭けられたかというとやや怪しい。結局、ぼくは周囲の人の気持ちを気にしてしまった。もっとラジカルにやるべきだったと反省している。反省は今後に活かしたい。

 

 他人の共感を呼ぶことはどうでもいい。それよりは突き抜けることだ。「なんだあれ?」と思わせて視線を奪い、そのまま予想もしなかったところへたどりついてしまうことだ。そっちの方がずっとおもしろい。