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悪いのはボーイズラブではなくて僕の迂闊さだった

日記
 実はボーイズラブ漫画を読む趣味があって(自分は成人男性です)、読みはじめた三年前から今までで二千冊くらい読んでいる。好きなBL作家を余裕で10人以上あげられるし、その作家について小一時間は語れる。数多のボーイズラブを読む中で精神が鍛えられ、今では女と見まごう美少年から筋肉むきむきのおっさんまで誰が攻めだろうが誰が受けだろうが偏見なく読める。つまりボーイズラブに対する完璧な水の心を身につけている。

 しかし断っておくが別にホモをおかずにしているわけではないし読んでも全く興奮しない(いや、受けがとてもかわいいとたまにドキドキすることはある。というか受けがエロいボーイズラブが好きだ)。単純におもしろいから読んでいる。本当だ。理解してもらえないとは思うが、本当だ。

 もちろんリアルの知人や家族にもこの趣味は話したことがない。話すつもりはない、話せるわけがない。さらに重ねて断っておくが、リアルの知人男性を見て欲情したことはない。ボーイズラブはファンタジーとしてただ単に読んでいるのであって我が心の奥底に秘められし歪んだ情念の発露などではない。そう、この趣味に深い意味はない。単なる趣味なのだ。

 突然どうしてこのように胡乱な話を始めたのかというと、この前落選したであろう作品を読み直していて、ふと気がついて、主人公二人をどちらも男にしてみたら自分が好きなタイプのカップリングの関係性にとてつもなく似ていたのだ。

 一言でいうと、とても悲しくなった。

 ぼくはボーイズラブを読むがボーイズラブを書くつもりはないのだ。ボーイズラブを蔑むつもりはない。むしろ好きだ。二千冊分お金を落として一片の後悔もないくらいには好きだ。ただぼくは、どちらかといえば想像の遥か彼方よりも想像のこちら側を描きたいと思っていて、そのつもりでキャラクターを作ったつもりだった。それは成功したとは言いがたかったのだけれど、しかし予想以上に失敗していたのであり、あれはある意味でぼくの好みの妄想の反映だったわけだ。

 ぼくは文学を自分の骨としているつもりだった。だから一頃の格闘ゲームニコニコ動画も、そして今のボーイズラブも他の何もかも、幅を広げるためのものだった。骨にくっつける肉のつもりだった。でも最近、むしろそれらの肉が調子に乗って外骨格となりはじめている気がする。やめてほしい。本当に。やめてほしい。

 何が肉で何が骨なのか。ぼくの意識はこれを骨だとしても無意識は別のものを骨だとしようとしている。

 別にボーイズラブはいいのだ。ボーイズラブは何も悪くない。むしろ好きだ。でもそれとこれとは話が違う。そうじゃない。つまり修行が足りていない。もっと頭よくなりたい。